※下記の記事は2022年6月1日に配信したメルマガの内容です。
古越龍山東京事務所の夏です。
前回の配信から少し期間が空いてしまいましたが、皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。
新型コロナウイルスによる行動制限が解除されて、街にようやく賑わいが戻ってきました。今月10日からは外国人観光客の入国も再開されるなど、コロナによる打撃が大きかった酒類・飲食業界にも明るい兆しが見えてきました。
さて、5月6日(金)、麻布十番にある中国飯店 富麗華で、「紹興酒を楽しむ会」を開催致しました。米作りから紹興酒を極め、本物の紹興酒とその文化を広めることについて大変力強いご支援とご指導をいただいている発酵文化推進機構理事長で東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生のご提案で開催に至り、著名なご来賓の方々やご関係者様、合計50数名ご出席いただきました。
今回は私が2018年に紹興地元でこだわって作ったお米でできた「夏之酒」と古越龍山の日本総代理店永昌源が協賛した従来の8年物、10年物紹興酒、上澄みのみを使用した「澄龍」、去年12月末に発売したカラメルフリー新商品「純龍」に加えて、日本未発売の古越龍山最高級シリーズ紹興酒「国醸」も特別にご提供させて頂きました。
ランチコースにて、ソムリエの長橋大輔様にそれぞれのお料理に6種の紹興酒のペアリングを提案して頂き、皆様お食事と紹興酒のペアリングを大いに楽しんで頂いた様子で大変嬉しく思います。
発酵学の第一人者である小泉先生から貴重なご講演を頂戴致しました。その内容は別の機会に詳しくご紹介したいと思っていますが、今回は一部の要旨を掲載いたします。紹興酒の普及に取り組んでいるわれわれにとって大変大きな励ましとなりました。
●紹興酒は油をよく使う中華料理に合う。日本では油料理が非常に多くなった。ワインにも酸が多いが、ただワインは果物の酒で、紹興酒は米の酒なので日本人に一番合う。
●今日の紹興酒は高級ワインのようだ。いい酒は鑑賞しながら飲む。ゆっくり味わう。お酒と料理が一体化する。
●銘酒というのは口に何も障らない。故坂口謹一郎先生は良いお酒は水の如しとおっしゃっていた。
●日本の麹を使った酒造りが世界無形文化遺産に登録されることになった。中国酒、特に紹興酒は造り方が複雑で、奥深い。世界遺産になる素質が十分にある。
●紹興酒は歴史が長く、漢方薬の入った酒薬を使う。医食同源の原点である。
●紹興酒を中国文化の一つとして、中華料理の中心的なものとして、世界の人たち、日本の人たちがみんなで見直していこう、国を問わずに広い視野で優秀な文化を取り入れる。
乾杯のご挨拶は世界的に有名な建築家で、東京大学特別教授・名誉教授でもいらっしゃる隈研吾様がしてくださり、食後は日本ソムリエ協会副会長・横浜君嶋屋社長の君嶋様が今回のお料理とのペアリングについてコメントをしてくださいました。一品一品のお料理と紹興酒のマリアージュを細かく丁寧に説明して頂きました。
お食事の後も全日本華人書法家協会・高小飛会長には素晴らしい書道パフォーマンスをご披露頂き、会場を盛り上げて下さいました。
最後は私から長い歴史を持つ紹興酒文化や古越龍山の魅力、これまで自分の取り組みについて講演をさせていただいて、また有機農業の推進において大変お世話になったオイシックス・ラ・大地株式会社の藤田和芳会長と長年日本で紹興酒の発展に力を注いてきた興南貿易株式会社の石滋成・元社長からコメントをいただき、盛況のうちに終えることができました。
ご多忙の中ご参加頂いた皆様に心より感謝申し上げます。今回の「紹興酒を楽しむ会」は反響も大きく、今後の紹興酒業界全体の発展の一助となれば幸いです。今後もより多くの有志と連携して、日本でより紹興酒が浸透し、本物の紹興酒の魅力が伝えられるように活動して参ります。尚、5月14日(土)は天王洲アイルの天厨菜館にて在日中国人40数名向けに紹興酒の試飲会・講演を行いました。今後もこのような機会を作りたいので、より多くの方にご参加いただければと思います。
ところで、今年は静岡県・浙江省友好提携40周年に当たります。来る6月10日(金)に静岡県の地域外交課とコラボして、zoomウェビナーに出演させていただく運びとなりました。
世界三大美酒といわれる紹興酒の味わいや歴史、そして浙江省の食文化などをご紹介致します。どなたでもご参加可能(先着100名様)ですのでぜひお気軽にご参加くださいませ。