中国では米などの穀物で醸造された酒を「黄酒」(ホワンチュウ)と言います。その歴史は長く、ビールとワインと並んで世界の三大古酒と称されています。黄酒は中国に源を発しており、浙江省紹興市で造られた紹興酒はそれを代表する最高峰のお酒です。
2000年に中国で地理的表示(GI)保護制度(原産地呼称保護制度)を打ち出されて、紹興酒は第一号として選ばれました。実はフランスのシャンパンと同様に、紹興市で一定の基準を満たした14の酒造メーカーの商品以外は紹興酒と名乗ることができないのです。
紹興酒の歴史といえば、史書の記載では2500年以上前、すなわち臥薪嘗胆、呉越同舟で知られる越王勾践の時代からたくさん存在していました。さらにさかのぼること6、7千年前の河姆渡(かぼと)遺跡、そして9000年ほど前の小黄山遺跡から出土された人工栽培の稲及び酒器から、古代人がすでに黄酒を飲んでいた可能性が伺えます。2006年、紹興酒の伝統的な製法が国の無形文化遺産に登録されました。紹興酒は各国の元首などさまざまな賓客をもてなしてきた中国を代表するお酒なのです。
「古越龍山」紹興酒は上質なもち米、小麦と鑑湖名水を原料とし、醸造技法を千年伝承し、ずっと「古法醸造」の伝統を厳守しています。お盆前後に酒薬を作り、9月に麦麹を作り、10月に酒母を作り、11月の立冬から仕込み·発酵。独特な並行複発酵という製法で90日間以上発酵させ、翌年の立春から上槽、火入れ、泥で密封し酒庫に貯蔵し、数年間から数十年間にわたって熟成させることによって最高に旨い紹興酒になるのです。