紹興酒侍酒師(通称紹興酒ソムリエ)呼称資格認定制度発足にあたり、第一期生の皆様に紹興酒への理解をさらに深めて頂くため、1月13〜16日の期間「上海・紹興視察ツアー」を開催しました。
初日は上海に到着後、紹興酒と紹興料理で有名な人気レストラン「孔乙己酒家」へ。その後東方明珠電視塔や外灘などを見学して、夜は上海白玉蘭広場にある日本食「鳥元」で40人規模の交流晩餐会を開催。ラムラ上海の呉雯嵐総経理が会場を設営し、紹興酒愛好家や日本酒の専門家、そして上海総領事館・宮本領事や日本の食文化に詳しい復旦大学の徐静波教授、リビエラ松鶴楼・佐藤総経理にもご参加頂き、皆さまそれぞれお酒を酌み交わしながら交流を楽しんでいただきました。
翌日からは新幹線で紹興市に移動。まずは古越龍山のアンテナショップ「慢酒館」へ。日本にはないボトルや色とりどりの化粧甕をゆっくり鑑賞し、新商品の試飲などをしました。その後魯迅故里を見学。紹興文化に触れながら散策を楽しみました。その後訪れた府山公園・越王台は「古越龍山」の名前の由来となった場所です。麓では地元の野菜、魚などが売られている商店や古民街が立ち並んでおり昔ながらの景観を楽しみました。
最後は黄酒博物館に伺いました。紹興酒の歴史や製造方法、分類などがわかりやすく模型や写真などで展示されています。そしてここでは紹興名物の茴香豆(ウイキョウソラマメ)などと一緒に4種類の飲み比べも堪能。紹興酒アイスや甜酒醸という甘酒も試食。交流晩餐会では国醸20年と一緒に紹興料理を満喫しました。
ツアー3日目は中央酒庫と花彫廠を見学。中央酒庫では東京ドーム4個分もの広さがある敷地には熟成年数の短い甕から、60年以上も長期熟成させている貴重な甕まで、大量の甕が隙間なく積み上げられており、まさに圧巻の光景でした。古越龍山社内のライブ配信専用ルームにも案内して頂き、ライブ配信の撮影を行なっている様子も見ることができました。花彫廠では職員がまさに化粧甕に絵の具で色を塗っており、甕をひとつひとつ丁寧に筆で色付けをして、鮮やかな化粧甕に変わっていく貴重な現場を見学できました。
夕方からは古越龍山本社で孫愛保董事長らを表敬訪問し、それぞれ今回のツアーの感想や紹興酒に対する意見、情報などを交換しました。その後交流晩餐会が開かれ、紹興酒を嗜みながら有意義な交流会を長く満喫しました。
最終日は300年以上の歴史を持つ中国黄酒業界唯一の国家産業遺産である鑑湖酒坊を見学。二次発酵中の甕が屋外にたくさん積み上げられており、ここでは一次発酵中の醪の「櫂入れ」作業を体験しました。櫂入れとは発酵中の醪を長い木の棒で混ぜる作業です。この工程は発酵の進み具合や気温など様々な要素を考慮して行うため、作り手の経験や熟練の技が必要とされるそうです。さらに紹興酒の醸造に水源として欠かせない「鑑湖」の景観も見ることができました。